黙食をいかに楽しむか
2021年3月29日号
リライフアカデミー講師・公認心理師 藤田先生
皆さまこんにちは。今回のメルマガは、カウンセラーの藤田が担当させて頂きます。
年明けに発出された2度目の緊急事態宣言が、ようやく全面解除となりましたね。街から人が消えた昨春とは違い、人も出てるしお店も開いていましたが、それでも日常に窮屈さや不自由さはやはり感じました。
特に飛沫感染のリスクが高いとされているため、「会食」を我慢されている方も多いかと思います。宣言は解除されましたが新規感染者数は増加傾向にあり、まだまだ気をつけて過ごさねばなりません。
2度目の宣言下では、「黙食」という言葉が広まりました。一人で静かに食事をすること。コロナ禍で推奨される食事の仕方を、様々な楽しみが制限されている今、我慢ではなく楽しみたいですよね。
そのヒントは、藤田の大好きなあの番組にありました。テレビ東京の人気番組『孤独のグルメ』です。松重豊さん演じる井之頭五郎(以下、吾郎さん)が一人黙々と食べるだけのドラマですが、ここには黙食を楽しむ3つのコツがありました。
孤独のグルメに学ぶ、黙食を楽しむ3つのコツ
1. 本音で食べたいものを選ぶ
吾郎さんは、入るお店を適当には選びません。その時食べたいもの、欲しているものを自分に問いかけます。自分の心にとても正直。
2. 食べ方も自由
吾郎さんは、食べ方も自由です。どんな風に食べたら美味しいか、ワクワクするか自分で考え試します。周りにどう思われるかよりも、自分がどう思うかに忠実。
3. 自分なりに味わう
吾郎さんは心の中で食レポをしますが、美味い不味いではなく「どんな味か」「どんな気持ちか」を自分の言葉で表現します。自分の感覚、浮かんだ考えに素直。
こうして自分に素直になって食事を通じて自分だけの世界に向き合い、集中する。これこそが黙食を最大限楽しむコツ。ということをマインドフルネスに詳しい友人に話したら、それは食べる瞑想(マインドフル・イーティング)だと教えてもらいました。脳疲労を軽減し、幸福感を増すとして注目されているマインドフルネスが、黙食で実践できるそうです。
以前のように人と会うことが難しいコロナ禍では、生活様式の変化だけでなく、価値観の変化も求められています。人との関わりで得る「外的な豊かさ」から、自分の内面に目を向ける「内的な豊かさ」へ。自分10で生き、自分で自分を満たしてあげられることが、内的な豊かさを高めてくれる。わたしはそう思っています。
最後になりましたが、皆さん、子供の自分にこう尋ねてみましょう。
「ねえ、今日のお昼は何食べたい?」
公認心理師 藤田