2022年12月25日号
オボクリニック院長 於保哲外 先生
『プラシーボ』の生き方を身につけよう
〜思い込みが、身体や人生に与える影響について〜
皆さんは『プラシーボ効果』という言葉を聞いたことがありますか?
PLACEBOはPLA=pleasure(喜び)をもたらすという意味です。
日本語では『偽薬効果』と訳されていますが、実際に、小麦粉でも砂糖でもそれを効く薬と信じると実際の効果が現れる現象です。
これは、信じることの力を実験しているわけですが、偽薬といわれると騙されるというネガティブなニュアンスがしますね。
しかし、本来は、喜びをもたらす現象のことなのです。
この『プラシーボ効果』に対して、自分の「思い込み」が身体にマイナスの影響を及ぼすことを『ノンシーボ効果』といいます。
2005年にクリフトン・メドア博士が科学誌に発表した論文では、多くの臨床例を基に、この『ノンシーボ効果』の問題を取り扱っています。
その中で、「末期の肝臓がん」と診断され、余命数カ月と宣告された患者さんの例が報告されています。その患者さんは、「末期の肝臓がん」と告げられた後、がっくりと気落ちし、みるみる体力を失い、告知された余命すらまっとうできずに死んでしまいました。
しかし、驚いたのはその死後のことです。実は医師の診断が間違っていたのです。この患者さんは「肝臓がん」にはかかっていませんでした。この患者さんは「自分はがんで死ぬ」と信じたせいで死んでしまったのです。
1996年にレベッカ・フェルカーが発表した研究によれば、「自分は心臓病にかかりやすい」と信じている女性の死亡率は、そう信じていない女性の4倍にのぼったということです。
このように、人が何を信じるか、どの程度深く信じるかによって実際に身体や人生に大きな影響を与えるのです。
これらの研究は影響を実際与えるのだと証明してくれているわけです。
よく、診療の中で、“「○○ちゃんなら大丈夫!」といってあげましょう。そこには大丈夫という根拠は要らないのですよ”とお伝えしています。実は大丈夫と決めることがこの『プラシーボ効果』を実践することになっているのです。
この一年を締めくくるにあたって、『ノンシーボ』ではなく、『プラシーボ』(=何があっても喜びと受け止める)の生き方を実践しましょう。
そして、来年を輝かしい一年にしていきましょう。
良いお年をお迎えください。
思い込みが死に至ることもあるんですね。
そうてあるならば、「私は大丈夫、大好き」と思い込んで行きたいと思いました。
父親が、肺気腫で、もう最期と言う時、おぼ先生に「父親になんて言ってあげたらいいんですか」と伺った時、先生が「大丈夫と言ってあげましょう」と言って頂いて、父が息を引き取るまで、「お父さん大丈夫だよ」と言い続けて、眠るように亡くなりました。
死ぬ間際に「大安心」で行かれるように、今の日々を「大丈夫、大好き」と思い込んで行かれるようにしたいと思いました。
昨年のメルマガを昨夜読み返していました。
メルマガ用のフォルダを作っていつでも読めるようにしているんです。
気が向いた時とか、移動中とか、ネットの環境がなくても読めるようにしているんです。
病は『気』からとよく言いますが、まさしく学術的に言うと今回のお話のことを言うのでしょうか。
改めて自己の潜在能力を大切にして生きたいって思いました。
気の利いた感想を送れないと思いますが、復習(?)のため、今年はできる限り感想を送りたいと思います。
失礼あればお許しください。
どうぞ今年も宜しくお願い致します。