秋桜の君へ
2021年10月18日号
リライフアカデミー講師・公認心理師 花形先生
今回は、秋桜(コスモス)が咲く季節に想い出す、小学校5年生の時の親友のお話です。
あなたはいつも優しくて、ちょっと大人っぽくて、でもどこか寂し気で、一緒にいるといつもホッとできる、大切な親友でしたね。
小学校4年生の3学期の終わりころ、ある日突然、転校することを聞きました。
「新しいお父さんができたの。ごめんね。」って。
びっくりして、そしてショックで悲しくて、でもそんなに遠いところではないと聞き
「遊びに来てね!」「絶対、遊びに行く!」と約束して春に涙でお別れしました。
5年生になって桜の季節が過ぎ夏が来て夏休みが終わるころ、バスを乗り継ぎ一人で遊びに行く計画にやっとOKが出た。
私はまるで赤ずきんちゃんのようにワクワク、ドキドキ。
お菓子と友達の写真とお手紙と、あなたの好きだったサンリオのキャラクターのシールを握りしめ、バスに揺られてあなたの新しいお家に着きました。
久しぶりに会ったあなたは、髪が伸びてさらに大人っぽくなって、私は嬉しいやら恥ずかしいやらで上手く話せなかったね。
お家の隣の空き地には、薄桃色や濃桃色の満開のコスモスが咲き乱れ、それを摘みながら沢山おしゃべり、したんだと思う。
それは、あなたが振り向きざまにポツリとつぶやいた一言の記憶に打ち消されてしまったから。
「また、引っ越すんだ。お母さんと二人で。もう、まきちゃんが一人で来れない遠くに。しょうがないよね、私たち、子どもだから。」
あなたが急に大人びた理由がわかった気がした。
今度は涙が出なかった。代わりに帰りのバスの中で、何だかわからない行き場のない憤りでいっぱいになった。
子どもだからいけないんだ、子どもだから我慢するんだ、大人になったら…大人になったら! もっと自由に好きなことができるし会いたいときに会えるんだって。
コスモスの花を握りしめ怒ってた。
でも大人になってもあまり変わらない事、むしろもっと不自由なことがたくさん出てくることもその後知った。
理不尽だね。でも、でもね。私たちがあの日、想い描いた理想の大人になる方法も知ったよ。
それは、自分が自分の、世界で一番の味方になること。自分の中の子どもの自分の、世界最強の愛の大人になること。
Tどん。どこかで元気にしてますか?
あなたの中の子どもが、今は自由にのびのびと、この秋空の下でやさしく微笑んでいますように。
心理カウンセラー 花形
お話を読んでいて久しぶりに泣きました。
そう、子供の時大人の身勝手に疲れてたなぁと思い出しました。文章を読んでいたら小学生の頃にタイムスリップしたように、当時の友達が浮かんできた。
皆、何かしら大人に失望していた。傷ついていたけど、まだ子供だからどうすることも出来ない。
大人になるのをじっと待っていた感じ。
今、自分関係のやり直し中。
あの頃優しく声を掛けてくれる大人が欲しかったから、今自分でしてあげたい。
当時の友達たちも、優しい大人に出逢えていたらいいなぁと思いました。
感想です。
いつも興味深く拝見しています。電車に揺られながら。
そういえば、iTunesで朗読とセミナー買いました。
このセミナーとても良かったです。何度も聴けそうです。
本を読むのは面倒なので、ながら族の私向き。
院長先生の写真イイです。
とても素敵なせつない、いいお話でした。
涙が出ます。
お友だちもきっと先生のこと、大事に思っててくれているはずでしょう。
花形先生の文章に泣きました。
最後の、理不尽だけど、理想の大人になる方法、のあたりが特に。今自分が悩んでることの答えになるようなことでした。ありがとうございます。
秋桜の君へ 読んでいて涙があふれました。
花形先生の子どもの頃の純粋な、思いや行動。子どもは子どもの世界で、一生懸命いろいろ考えて行動していることが、かわいくて、愛おしく感じました。
〝子どもも一生懸命生きているんだ〟と思いだしました。
そして大人になった今も〝子どもの頃の純粋な心は自分の中にある〟と懐かしい気持ちになりました。
子どもの自分は、子ども頃と変わらずに、今も私の中にいます。
私は、自分の気持ちに寄り添える、自分の一番の味方でいたいです。
そして、自分と出会えた事を大切に味わいたいです。
ありがとうございます。
こんにちは!今、オボクリニックの帰りです。電車に揺られながら拝見しました。
感動しました。わたしもあの方もこの方も世界中の宇宙中の皆が、大人の自分と子供の自分が仲良く強くなれますように🙏
素敵なお話しですね。
今日は、結婚記念日です。23年になります。子どもがいないので、自然、旦那さんへの関心が強まります。が、その前に、来月還暦になる自分は、元気なの?と自分の中の明子ちゃんは、楽しくしてるの?と、自分関係のことに、もっと関心をもっていいんだよと、結婚記念日に思いました。
花形先生の感想ではないのですが、申し訳ありません。
私は新潟の魚沼出身です。写真を見て思わず見入ってしまいました。
これは今年の写真なのでしょうか、ちょうど今頃はこんな感じですね。
田んぼに囲まれて育ったので、懐かしくて懐かしくて。
日本のお米は美味しいですよね。
こんな感想で申し訳ありません。
私も小学生の頃、親の都合で何度も転校しました。仲良しの友達もできたのに その度に とても悲しい気持ちになったことを思い出しました。
今、自分が自分の世界で1番の味方になること
ほんとにそうなりたいと心からおもっています。
なんだか切なくなってしまいました。胸がいっぱいです。